私
メモ#13
やはり患者のことを何処かで会ったことがあるような気がする。
この病院ではない、もっと遠い過去の、もっと遠い何処かで、会った気がする。
いくら思い返してみても、頭が割れるような痛みしかを感じなかった。
頭蓋骨の中は霧がかかったようで、今作ったばかりの記憶まであの霧に飲まれていく。
もう考えるのやめよう、私はもうこれ以上忘れたくない。
これは罰か?私は今罰を当たってるのか?
私は悪行でもしたのか?
あはは、そんなバカな。笑えないよな。
だって確かにしたんだから。
ああ、心電計が鳴ってる。なんとかしなきゃ。なんとかしないと彼女は死んでしまう。
Comments