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診察記録_3月15日_曇

患者の状態は安定しており、内臓がほとんど機能していなかった最初の段階から回復したことは予想以上だ。


何も無ければ、次はリハビリとカウンセリングですぐ退院できるはずだ。

なんというか、ほっとした。


彼女は私が記憶を失ってから最初の患者だ。

こんな中途半端な医術が役に立つのかと心配していた、なにしろ医療機器の前に立つだけで違和感しか感じないのだ。

今となっては、その心配は余計なお世話だったと思った。

© m2okayu
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